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蜜蝋(みつろう)と松脂(まつやに)


蜜蝋とは、ミツバチの住まいの壁となっている巣房(六角形の小部屋)をつくるためにミツバチ(若い働きバチ)が腹の蝋腺(ろうせん)という器官から分泌した蝋のことです。

すなわち巣からはちみつを採取した後に残ったものが蜜蝋(原蝋)になります。


蜜蝋と人類の関係は非常に古く、エジプト王朝時代(紀元前4200年前)ミイラの保存に使われていたことに始まります。5~15世紀には蜜蝋(ミツロウ)は通貨として使用されるほど価値があったといいます。


画像①は市販されている巣蜜(巣ごと食べる事のできるはちみつ)です。

はちみつを蓄えるために一つ一つの巣房には蓋がしてあります。


蜜蝋はハンドクリームや口紅、クレヨンなどの材料、犬猫の肉球保湿クリームとしても使われています。


蜜蝋には、肌を柔らかくなめらかにする成分が豊富に含まれており、抗炎症作用もあるともいわれています。蜜蝋が皮膚表面を覆うことで、外部の刺激や乾燥から保護してくれます。





松の木から採れる天然樹脂を松脂(まつやに)と言います。


松脂はバイオリン等擦弦楽器の馬毛でできた弓の摩擦抵抗を増やすために使用されています。またインキ用樹脂、合成ゴム用乳化剤、製紙用ロジンサイズ剤(にじみ止め)、接着・粘着剤、香料、食品添加物、医薬原料などにも使用されています。

彫金分野では松脂が熱を加えると柔らかくなり冷めると硬くなるという性質を活かし、石留め、刻印を打つ際作品を固定するために使われます。


精製された蜜蝋に松脂を適量混ぜ合わせることで、密着性と粘性を出すことができます。


Aは精製され揮発性成分が蒸発し固まった松脂で、

Bは原蝋から不必要なものを取り除いて精製された蜜蝋です。


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