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執筆者の写真tomo326choukin

ミツローから金属へ ~鋳造~




ミツローは天然素材ですので繊細な温度管理が大切です。

温めると柔らかくなり自立した形を保てなくなります。逆に冷やすと形は固定され少しの衝撃で砕けてしまいます。

少し扱いが難しいミツローですが、その分素晴らしい表情を見せてくれます。

伸ばせば美しいひき目ができ、指先を使って優美な花びらも作ることができます。

そんな美しいミツローを気温や湿度に左右されず半永久的にこの世に残したい、身につけたいという思いからロストワックス鋳造(精密ろう型鋳造)で金属に忠実に置き換え、輝きを与えます。




◆ロストワックス鋳造(精密ろう型鋳造)とは


 ロー*原型をつくり、その周りを埋没材(石こう)で覆い固めた後、

 加熱して中のロー原型を溶かして除去することで空洞をつくります。


 その空洞に高い熱で溶かした金属を流し込み、冷やして固め原型と同じ形の鋳物 

 ができるという加工法です。


※ローとはワックス(Wax)のことで、ブロックワックス、シートワックス、スプルーワック

 ス、インジェクションワックスなどさまざまな形状のものがあり、作りたい形に合わせ使

 用し原型を作ることができます。ミツローもワックスの仲間です。



今回はその鋳造方法について順を追って少し掘り下げてみたいと思います。



①まず、成型したローの原型に湯道(スプルーワックス)をワックスペンを使ってくっつ 

 けます。

 湯道とは金属が流れる通路のことです。


 湯道は原型に適した太さ、長さ、本数、をより良い角度で取り付けるとスムーズに金属が

 流れます。



②次に湯道のついた原型をワックスツリーと呼ばれる太い支柱に取りつけます。


 湯道につながれた原型の形が木のような形をしているので、ワックスツリーと呼ばれてい  

 ます。



③支柱と一体化した原型を鋳枠にはめ込み、埋没材(石こう)を流し入れます。

 埋没材は流す前と流した後で脱泡機にかけ、泡の抜けを良くします。


 ここでしっかり埋没材を脱泡をしないと、鋳造した作品に問題おきて後々金属での加工が 

 大変になってしまいます。


 


④埋没材が固まった鋳枠をロストワックス鋳造属用の焼成炉に入れ、

 熱を加え脱ローします。

 脱ローとはローが熱により溶けて液体となり鋳枠から流れ出て、

 空洞のある鋳型なることです。


 脱ローの後、空洞の鋳型を焼成して固めます。

 鋳型の焼成は鋳込み時の鋳型の割れ防止や湯回りを良くする効果があります。



⑤キャスト機で脱ロー焼成された鋳型に熱で溶けた金属を真空吸引と加圧により

 流し込みます(キャスト(鋳造))。



⑥鋳型の中の金属の温度が下がったら埋没材を取り除きます。

 表面についた細かな汚れも綺麗に取り除き洗浄します。


 ツリーになっている状態のものを一つ一つカットし、作品を取り出します。




ここまでがロストワックス鋳造(精密ろう型鋳造)の一連のながれになります。



蜜ろう彫金教室では、このような方法で鋳造したものを加工し作品として完成させていきます。

原型は溶けてなくなり、鋳型も一回一回壊してしまうので、唯一無二のまさに世界で一つだけの作品と出会うことができます。


そんなことを頭の片隅に置きつつミツロー造形するのも楽しいですね(*^^*)





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